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sojisan’s blog

そじさんです。なにかを読んでなにかを書くよ。

寺田寅彦のどんぐり・竜舌蘭を読んだ

 これが一年半越しの二記事目である。前の記事に「どうせ続かないんだらうなあ」なんて書いてあるが、流石に一日坊主はひどすぎる。ひどすぎるので、何かを書くことにした。

 しかし書くことが思い浮かばない。小難しいことを書こうとも思ったが、私の言語性は死んでいるので論理的な文章が立たない。記事を書く計画はまた頓挫しかけた。しかしそれは悔しい、何か良い案はないものか。

 そう考えていたところに読書感想文という案が浮かんだ。これならば小学生でもかける。即ち、小学生並みの文章力の私でもかけるはずである。とにかく何かを毎日読み、とにかく何かを毎日書く。これを習慣づけることで私の文章力を多少マシにしようではないか。

 ということでしばらくは寺田寅彦随筆集第一巻を読んでいきたいと思います。これね。

 

寺田寅彦随筆集 (第1巻) (岩波文庫)

寺田寅彦随筆集 (第1巻) (岩波文庫)

 

 

 これには、短編の随筆が20個ほど収められている。この最初のふたつ、「どんぐり」と「竜舌蘭」を読んだ。今日は、このうちどんぐりについて書く。竜舌蘭についてもなにか書こうと思っていたのだが、下の文を書いただけで疲れてしまい、ここで止めておかないと絶対に長続きしないと思ったからである。

 寺田寅彦は妻を二回亡くしているのだが、その最初の妻との思い出が綴られているのが「どんぐり」である。肺病を患わせ病床についていた妻・夏子(享年19)の具合が良い時を見計らい、二人で植物園に行く。その帰り、夏子は道に無数のどんぐりをみつけ、ハンカチに包みはじめる。

 数年後、夏子が遺した息子と同じ植物園へ行きその帰りにどんぐりを拾わせると、寺田の帽子にハンカチを広げてそこにどんぐりを集めた。このような些細な事象に寺田は夏子の痕跡を見つけ、こう思うのであった。

"小さいだらけの指先で帽子の中に累々としたどんぐりの頭を一つ一つ突っつく。「大きいどんぐり、ちいちゃいどんぐり、みいんな利口などんぐりちゃん」と出たらめの唱歌のようなものを歌って飛び飛びしながらまた拾い始める。余はその罪のない横顔をじっと見入って、亡妻のあらゆる短所と長所、どんぐりのすきな事も折りのじょうずな事も、なんにも遺伝してさしつかえはないが、始めと終わりの悲惨であった母の運命だけは、この子に繰り返させたくないものだと、しみじみそう思ったのである。"

 

 

 今日、寺田は随筆家として有名であるが、本業は物理学者である。東京帝国大学理科大学を主席で卒業し、大学院に進学した後は田中舘愛橘・長岡半太郎の指導の下博士課程を修了した。後に同大学の教授になり、1913年にはX線の研究でNature誌に論文を掲載している。

 寺田の師匠である長岡半太郎、これは土星型原子モデルの提唱者として有名であるが、彼は晩年、水銀から陽子を取り除き金を生成する実験を大真面目に行っていたらしい。無論これは失敗に終わるのだが、晩年まで失敗を認めることはなく、学会の重鎮へ指摘できるものは誰もいなかったとのことである。頑固者と伝えられている長岡先生の性格がよく表れたエピソードである。

 

 ここまで書いたが、これでは感想文ではないではないか。まあこれから、何かを読んで、それについて何かを書いていくことにしよう。